海外FXの自動売買とは

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海外FXとは

外国為替証拠金取引を取り扱う会社が日本国外である場合に、国内FX会社との区別として「海外FX」と呼称される。海外FXと国内FXは同じFX取引を扱う金融商品取引業者ではあるが、提供するサービスには区別されるだけの違いがある。

  • 最大レバレッジ
  • プラットフォーム
  • 取引コスト
  • 金融庁への登録

ハイレバレッジ取引

海外FXの最大の特徴はハイレバレッジでの取引が可能なところだ。EAを始めとした自動売買で取引するのであれば証拠金維持率のゆとりは重要な要素のひとつといえる。

メタトレーダーがメインのプラットフォーム

海外FXのプラットフォームはメタトレーダーが主流だ。メタトレーダーは国内FXでも採用する業者はあるが、海外FXほど普及しない体制にある。

海外FXブローカーの取引コスト

海外FXの取引コストは若干高めだ。自動売買によく使用される低スプレッド口座なども往復手数料が発生する。

金融庁に登録しないと金融商品取引法も適用されない

海外FXブローカーの多くは金融庁に登録せず、海外の金融ライセンスに登録して営業をしている。日本国内での金融商品取引法が適用されないのはそのためだ。海外FXで自動売買の取引をするには海外FXブローカーの口座を利用することになるため、日本国内の金融商品取引法が適用されない所得となる。

海外FXの自動売買とは

海外FXの自動売買は完全なプログラムによる取引が主となるが、トレーダーによるFX取引のコピーをすることによって成立する仕組みの自動売買も存在する。コピー元のトレーダーは裁量トレードやプログラムによるトレードを組み合わせFX取引をする。自動売買を希望する者は、コピー元の成績を参照した上で気に入ったトレーダーを選択しコピーすることができる。

海外FXでは自動売買の普及が高く選択肢も多い。公開される取引データなどから性能を評価する事もできる。

FX自動売買の種類

  • EA(エキスパートアドバイザー)
  • シグナルトレード
  • MAM、PAMM

自動売買のEAトレードとは

EAとはエキスパートアドバイザーの略称である。FX取引のプラットフォームである「メタトレーダー」を使って自動売買をするためのプログラムとなる。MQL言語というC言語をベースとした独自のプログラミング言語を用いて開発されるFX用の自動売買プログラムで、開発環境はオープンにされておりEAは個人でも作成が可能となっている。

メタトレーダーにはバージョンがあり、2005年にメタトレーダー4(以下MT4)2010年にはメタトレーダー5(以下MT5)が開発元の会社メタクォーツ社よりリリースされている。

MQL5EA販売のマーケットページ
MQL5.comでEAを販売しているマーケットページ

EAトレードでは、最新のMT5はもとよりMT4も現役でトレーダーに支持されている人気のFX取引用プラットフォームとなっている。海外FXの自動売買と言えばメタトレーダーでのEAトレードを連想するトレーダーがほとんどなほど海外FXの自動売買ではメタトレーダーでのEAトレードが浸透している。

EAトレードは基本的に完全な自動売買で取引されるため、24時間の稼働が可能となる。海外FXのハイレバレッジを活かしたハイリスクハイリターンの取引をするロジックのEAや、資産運用的な安定トレードを可能にするEAなど、様々な自動売買のスタイルに対応できる。EAは複数を稼働させられることも可能で、資金力に合わせて好みのポートフォリオを組む事が可能となる。

自動売買のシグナルトレードとは

シグナルトレードとは、メタトレーダーを介して利用できる自動売買のサービスで、メタクォーツ社の「MQL5.com」によって運営される。シグナルトレードではメタトレーダーで取引される配信者のトレードを、ネット回線を通してコピーすることが可能となる。

MQL5ではいくつものシグナルトレードが配信されており、自動売買を希望するメタトレーダー利用のトレーダーは好みのシグナルトレードを購読することができる。

シグナルトレードを配信するトレーダーはMQL5.comへ身分証明をする必要があり、不正は厳しく取り締まられている。

MQL5_security_img
MQL5の自動売買は身分の証明が必要

EAを使って完全な自動取引でシグナルトレードを配信している者や裁量トレードで配信している者、EAトレードと裁量トレードのハイブリットで配信している者など取引スタイルは多様である。シグナルトレードによる自動売買の取引履歴は受信者でなくても制限付きで閲覧が可能となっており、その他のデータ化された情報も広く公開されているためシグナルトレードの選別には参考にできる。

シグナルトレードの参照できる取引データなど

  • 資金成長率
  • 取引口座、レバレッジ
  • アルゴリズム取引の割合
  • 利益トレードの割合
  • 損失トレードの割合
  • 最大ドローダウンの割合
  • 取引アクティビティ
  • 最大入金額
  • 月毎の資金成長率、残高
  • 取引履歴
  • 取引詳細レポート
  • リスク分布
  • スリッページ
  • レビュー
MQL5シグナル配信ページ
MQL5.comのMT4シグナルページ

シグナルトレードを受信して自身のメタトレーダーで自動売買をするにはシグナルトレードの購読が必要になる。シグナルトレードの購読料は配信者が設定しており、最低価格でも20ドル必要になる。購読料として毎月のコストが掛かるためシグナルトレードで自動売買をする場合には利益が残る資金量を予め計算して運用する必要がある。

ここにイメージ画像

例として、月々2%前後の利益率を平均とするシグナルトレードがあり、購読料が月額20ドルとする。それを10万円で運用すると利益と購読料が同等となり利益がのこらないことになる。

MAM、PAMMは自動売買と少し違う

海外FXの自動売買にはMAMとPAMMがある。厳密には自動売買ではないが、ここで簡単に紹介をしておく。

MAMとはマルチアカウントマネージャーの略称である。MAMは取り扱いのある海外FXブローカーから取引口座とは別に、MAM用の口座を開設する。MAMの口座から複数口座をアカウントマネージャーが代表して運用をする。プラットフォームを利用した自動売買ではなく、口座に預けている資金をアカウントマネージャーの運用に託すといった表現がより正確になる。

MAMは取引についての情報が口座開設者にはオープンとなり、トレードの内容を伺うことが可能だ。

PAMMはパーセンテージ・アロケーション・マネジメント・モジュールの略称である。MAMと同様、専用口座の資金を使って運用される。MAMとの区別としては、アカウントマネージャーを複数から選択できる点にある。

海外FXの自動売買ではないトレードとは|裁量トレード

海外FXトレードで自動売買をせず、トレーダー自身の判断、行動でトレードする事を裁量トレードと呼ぶ場合がある。海外FXトレードの自動売買と区別が必要な場合に使い分けるためだ。

裁量トレードは自動売買の様に取引ルールが固定されているわけではない。それはメリットにもなりデメリットにもなり得る。チャート以外の分析によってルールの変更ができることや、チャートを複合的に分析し経験則による判断を下せるなど、いわば相場師としての熟練を発揮できるのが裁量トレードのメリットである。まさに、自動売買との違いを見せつけることができる。

trader

デメリットとしては、感情に流され合理的ではないトレードをしてしまうことにある。「裁量」トレードだから、といってルールを破り、非合理なトレードを繰り返して損失を生むくらいであれば、利率が低くても勝てる自動売買で運用をするべきである。また、値動きの大きい時のFXトレードは睡眠を削ってでも監視する価値があるため、体力や精神力が問われる点も自動売買と比べればデメリットと言える。

裁量トレードで自動売買より良い結果をだすには

  • 利益の残る取引ルールを持つこと
  • ルールを守ることと資産を守ることが同義との理解
  • チャートの動きに合わせた生活を送る覚悟
  • チャート以外の分析や相場観の能力
  • 常に合理的な判断で取引を実行

海外FX自動売買の特徴

海外FXはメタトレーダーをメインのプラットフォームとしているブローカーが多い。そのため、自動売買も必然的にEAとシグナルトレードがメインの手段となる。MQL5.comへアクセスすることでEAトレードやシグナルトレードといった海外FXの自動売買を可能とするツールを探す事ができる。

海外FXの自動売買は、国内FXの自動売買と比べて多くのトレーダーに利用されている。人口に違いがあるため当然ではあるが、国内FXの自動売買よりも海外FXの自動売買の方が競争率も必然的に高くなる。MQL5コミュニティの高い競争率の中で、海外FXでは自動売買の性能が磨かれている。

auto trading

海外FXの自動売買トレーダーは金融や投資に対するリテラシーも高く、ハイリスクEAなどの扱いも手慣れた印象を受ける。MQL5では自動売買のEAやシグナルトレードを利用したトレーダーのコメントなども参照できる。海外FXの自動売買は国内FXの自動売買に比べて、トレーダーにとって身近であることが感じられる。

自動売買のメリットは

  • 取引ルールがある
  • 取引ルールが守られる
  • 24時間の取引でもミスや見逃しがない
  • EAならばバックテストで性能評価が可能
  • 不労所得を得られる
  • 複数の通貨ペアでも同時に取引可能

自動売買のデメリットは

  • 自動売買を5日間続ける取引環境が必要
  • 性能を評価するリアルトレードに時間がかかる
  • 相場に合わせた柔軟な対応はできない

海外FXで自動売買をする手順

海外FXで自動売買の取引するにはメタトレーダーが最適な選択となる。cTraderなどのプラットフォームでも自動売買は可能であるが、前述した通りメタトレーダーの自動売買は競争が激しく選択肢も多い。質が高く選択肢も多いメタトレーダーで自動売買をする方が賢明と言える。

海外FXブローカーのほとんどで取り扱いされるプラットフォームはメタトレーダーなので、EAやシグナルトレードでの自動売買を希望するならば、MT4やMT5の用意が最初の欠かせない手順になる。

EAトレードで自動売買をする手順

海外FXのEAで自動売買をするためにはメタトレーダーをプラットフォームとした海外FXブローカーから口座を開設しておく必要がある。EAはMT4用とMT5用とでわかれており共有はできない。しかしEAの提供者もMT4用とMT5用の二つを公開している事が多くなってきている。MT5の普及率は低いためMT4用のEAの方が充実している。

メタトレーダーが用意できればMQL5などでEAを探すことになる。MQL5であれば無料EAも公開されているため、海外FXの自動売買に慣れていなければ取り扱いの練習をすることもできる。MQL5でEAを入手する手順などはMT4でMQL5のEAをダウンロードしてバックテスト、購入をする方法で解説している。

  • メタトレーダーを取引プラットフォームとする海外FXブローカーから口座開設する
  • MT4またはMT5をインストールする
  • MQL5などを通してEAを入手する

この手順でEAトレードを使った自動売買の準備が整う。

シグナルトレードで自動売買をする手順

海外FXのシグナルトレードで自動売買をするための条件はEAと同じくメタトレーダーでの取引環境を整える事からはじまる。

  • メタトレーダーを取引プラットフォームとした海外FXブローカーから口座を開設する
  • MT4またはMT5をインストールする
  • MQL5からシグナルトレードを購読する

この手順でシグナルトレードを使った自動売買の準備が整う。

関連記事
MT4シグナルトレード|MetaTrader TradingSignal

MAM、PAMMで運用できる海外FXブローカー

TTCM-logo
TradersTrust

MAM口座の提供に加えコピートレードとして「ソーシャルトレーダー」というサービスを提供している。トップソーシャルトレーダーのトレードが自動的にコピーされる取引方法となる。

LANDFX_LOGO
LAND-FX

LAND-FXではPAMMを提供している。

MYFX_LOGO
MYFXMarkets

MYFXMarketsはMAM口座の提供をしている。

海外FXの自動売買を選ぶポイント

数ある海外FXの自動売買を選ぶためにはまず、自動売買の評価をして選別するための明確な基準と、自己資金のリスクに関する取り扱い方法を明確にすることが大切になる。

自動売買を評価し選別するために

EAやシグナルトレードといった自動売買を提供する者は利益を目的としているため、関心を得られないようなプロモーションをすることはまずない。言いかえると、自動売買の性能を誇大評価しがちなのである。バックテストやデモ口座でのトレードではリアルトレードの結果と大きく異なる場合が多く、自動売買の性能を正しく評価することが難しい。

自動売買を正しく評価し、選別するためにはリアルトレードの結果がしっかりと参照できることが最低条件としてあげられる。また、バックテストでも20年から少なくとも10年ほどのデータが公開されている、またはトレーダー自身でバックテストができる環境であればより正しい性能の評価に繋がる。

関連記事
無料EAは使えるのか、本物を見抜く方法とは
MT4からMQL5のマーケットで勝てるおすすめのEAを探す方法

自己資金のリスクに関して取り扱い方を明確にさせる

自動売買は基本的にリスクとリターンの関係が比例になる。リスクが低ければリターンも小さくなり、リスクが高ければリターンも大きくなる。

ローリスクでハイリターンが実現する自動売買はファンタジーであり現実では有り得ない。ハイリターンであれば口座にかかるリスクは必ずハイリスクであるとの認識が大切なのである。

ハイリスクな自動売買でも、ロジックと相場の動きが合致した場合は一時的にローリスクハイリターンの損益が実現される。その部分だけをピンポイントで狙うことは不可能だが、可能性にかけることは戦略として成立する。

つまり、ハイリスクであることを承知の上でハイリターン自動売買の運用を許容できるかどうかを、自身で予め決定しておくことが大切である。

言い換えると、ハイリターンを望むのであれば失っても良い資金で運用しなければいけないということだ。

リスクとリターンのイメージ
リスクとリターンのイメージ

資金が増えた場合、元に戻すことが困難な金額であれば失った場合のリスクも大きいと評価できる。失うリスクが大きい資金量を運用しようとするには、資金を分散することやローリスクの自動売買で取引するなど、運用方法を変化させていくことが大切になる。

上手に自動売買で運用していくためには、リスクをとれる資金で運用するならハイリスクの自動売買を選ぶ。リスクの取れない資金で運用するならローリスクの自動売買と資金の分散を検討する。など、資金の取り扱いに合わせて自動売買を選ぶと上手くいきやすい。

資金量によってリスクの取り扱いを変化させる意識をもって自動売買のロジックを選ぶようにすると良い結果につながるのではないだろうか。

海外FXでの自動売買を便利にするツール

海外FXの自動売買では長く運用することで複利の効果が得られ、資産が雪だるま式に増加していくものがある。そういった自動売買で運用する際にはEA資産運用シミュレーション|FX計算機が便利だ。運用を検討している段階からでもシミュレーションをすることで資産増加のイメージをつけることができる。

また、資産運用で利益がでている場合には税金の計算も大切な務めとなる。海外FX税金計算機 シミュレーション|総合課税・分離課税の比較で所得税の計算ができるのでぜひ活用していただきたい。

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