MT4ではMQL5コミュニティへ接続し、マーケットからEAを購入することができます。
しかし、MQL5コミュニティでは数千にも及ぶEAが販売されており、EAを選ぶことに大変な労力を費やします。
時間を掛けて選び抜いたEAで負けてしまわないよう、MQL5コミュニティを利用した勝てるEAの探し方についてここでは説明していきます。
MQL5でEAを選ぶには

MT4からMQL5コミュニティへアクセスするには、
- ターミナル【Ctrl+T】または表示→ターミナル
- マーケット
- アプリケーション
の順で進みます。
MQL5コミュニティのサイト上でアクセスするには、
- ログイン
- 画面上部マーケット
- MetaTrader4
- エキスパート
へアクセスします。

MQL5コミュニティへの登録方法はこちらからご覧いただけます
この、MQL5マーケット内でEAを選ぶことになります。
販売されているEAにはそれぞれアイコンが設定されており、名前と金額、作者名が一目でわかるようになっています。
しかし、トレード手法やスペックに関しては、それぞれのEA販売ページにアクセスしないとわかりません。
大切な資金をゆだねるEAを決めるにあたり、洒落たアイコンや金額だけで選ぶことはできません。
そのためひとつひとつをよく見て決断することになるのですが、選択肢にフィルターを掛けて決断を早める方法と手順があるので説明していきます。
MQL5のEA販売ページで騙されないために

EA販売ページへアクセスすると、損益曲線は概ね利益を上げていますが一旦スルーします。ページ上では作者(販売者)によってEAの仕組みや素晴らしさについてなどが記載されていますが、そこも一旦スルーします。
売れそうもないEAをわざわざ売ることはしないでしょう。勝てるEAであることのアピールは当たり前のことなので、最初に読む必要はありません。
良いEA、良い販売者であると判断してから読めばいいかと思います。
ちなみに画像にあるEAは以下のような情報です。
- EA名 Pro Scalp
- 2008-2015まで取引し固定LOTで$1,000入金 → 利益$10,100
- 2008-2015まで複利で取引し$100入金 → 利益$7,574,731
- 販売価格 $1,000
資金100ドルのリスクで$7,574,731もの利益です。世界中に憶万長者があふれることになります。
MQL5内でEAのリアルトレードを確認できるか

EA販売ページの右側に作者の名前があり、作者のユーザーページへアクセスすることができます。

この画面上で、シグナルが表示されているかを見ます。
シグナルが表示されている場合には、EA販売の他にシグナル配信もしています。
EA販売者であれば、販売しているEAでシグナルを配信いている可能性が当然ながら高くなります。
シグナルでリアルトレード配信をしているか確認する
シグナルのページへアクセスし、EA販売者が配信しているシグナルを確認します。

シグナルのページでは、EA名と同じシグナルを確認します。
画像では【EA名_ブローカー名】の形で掲載されており、Pro Scalp+ブローカー名のシグナルが販売されていたEAのシグナル配信になります。
デモ口座のEAトレード結果には注意が必要
確認しているEAでシグナル配信し、利益が出ているとしてもデモ口座では参考になりません。当然ながらデモ口座とリアル口座では取引結果に違いがでるからです。
EAなどの自動売買では約定力が高いデモ口座での配信はリアルトレードでの参考にはならないと認識して大丈夫です。

画像にある上のシグナルがデモ口座のもの、下のシグナルがリアル口座のものです。
ブローカーやトレード数は違いますが、損益はあきらかに別物のような運用成績になっています。
ブローカー毎の取引条件やスペックによって差がでることもあり、一概には言えないのですが、デモ口座のリアル配信は無視した方が精度の高いEAの選択ができるでしょう。
デモ口座とリアル口座でEAの比較をする
このリアルトレード結果を見て、シグナルトレードの購読はおろか、1,000ドルを支払ってEAを購入する気にはなれないでしょう。
シグナル配信者の入金額も参照できます
シグナル配信のページでは配信者の口座残高をみることもできます。

シグナルページのグラフメニューでエクイティや残高を選択すると、口座残高を参照できます。
グラフにマウスポインタを当てると数値がでます。参考までに。
利益を残せるEAはリアルでも結果を出している

バックテストの結果とリアルトレードの結果にあまり差がでていないEAの例です。
こちらのEAの情報は以下です。
- EA名 Digger
- $500入金して2009-2015まで運用 固定LOTで$674の利益
- $500入金して2009-2015まで運用 複利LOTで$3374の利益
- 無料

こちらのEA提供者もシグナルトレードを配信しています。
EAの購入を検討する際にはリアルトレードとの比較が大切になります。リアルトレードとの比較情報がない、または満足な量でない場合には購入を見送るべきでしょう。

選択したEA以外にもEAを作成しているらしく、多くのEAがシグナルとして配信されていることがわかります。
EA名 Diggerのシグナルページへアクセスします。

2015年の6月から運用し、2016年2月現在までに34.56%と安定した成長率を出しています。
成長率のグラフからもわかる通り、ナンピンマーチン系のEAでしょう。
ナンピンマーチン系のEAにしては増え方が遅いので、あまり魅力的なEAとは言い難いです。
しかし、バックテストの結果を誇張しているだけで、リアルでは全然通用しないEAに比べれば使えるEAでしょう。
MQL5コミュニティで勝てるおすすめのEAを探す方法のおさらい
- EA販売ページは一旦スルーする
- 作者のページへアクセスする
- リアルトレードの有無を確認する(シグナル、my fxbookなど)
- リアルトレードがデモではないことを確認する
この手順を加える事で、詐欺まがいのEAを購入してしまうリスクを大幅に減少することができます。また、EAを検討するためのバックテストをしなくても判断できるため、時間の短縮にもつながります。
リアルトレードを公開していないが勝てるEAもあるかもしれません。
そういったEAの場合、この記事に記載している内容ではフィルターに掛かってしまい、見逃すことになるでしょう。しかし、この手順でEAを探せば時間短縮は間違いないので、結果的には効率が格段に高くなります。この方法を使ってMQL5からEAを探せば、リアルトレードでも利益が期待できる本物を探し当てる確率が大幅に向上することになるでしょう。

こうして選別され、気になるEAがあった場合にEA販売ページを読みます。
EA販売ページでは、レビューやコメントのやりとりを見ることができます。
レビューは第三者へ委託すればいくらでも良いものが書かれるので、判断に迷うこともあり参考にすることは難しいかもしれません。しかし、作者がEAの設定ファイルを公開していたり、EAのロジックについて参考になるやり取りなどもあるため一通り目を通しておくといいかもしれません。
EAのバックテストとリアルトレードの結果が大きく違う理由とは
バックテストでは素晴らしい結果のでるEAでも、リアルトレードではまったく違った結果になるのはなぜでしょうか。
- バックテストは固定スプレッド
- バックテストはティックのあるプライスなら問答無用で約定
上記のような理由が考えられます。
バックテストはスプレッドが変動しません。そのため、狭いスプレッドのままテストすることも可能であり、スキャルピングなど取引回数が多いロジックのEAでは大きな違いがでます。
基本的に、狭いスプレッドの固定スプレッド口座があるブローカーはありません。狭いスプレッドでバックテストされたEAは、リアルトレードではスプレッドが大きな障害になります。
バックテストの約定力はリアルトレードで通用するものではありません。EAは、MQL言語でプログラミングされた取引を淡々と執行するだけです。
約定できない、スリップした、などのイレギュラーはなく、バックテストで使うティックデータに忠実に約定していきます。
しかし、リアルトレードではそうはいかないのは言うまでもありません。相場の急変動時などに、狙ったプライスで約定するのは当然ながら難しいです。
ブレイクアウト狙いなど約定力がネックとなるEAの場合には、バックテストとリアルトレードで差がでやすいポイントかと思います。
バックテストは止まった的を狙うことと同じ

基本的に、バックテストはティックデータを元にテストされるものであり、データに対して忠実にプログラムが執行されるだけのものです。
変動するスプレッドや約定力になど対応していません。つまり、止まった的を狙って的確に射抜いているだけです。
リアルトレードでの的は動いています。いくら止まった的で上手に射抜いていても、動いている的を射抜けられなければ意味がないのです。
まとめ
FXトレードで利益を残すための手段として、裁量トレードと自動売買があります。
裁量トレードでは経済を読み、通貨の置かれている強弱を読み解き、独自でエントリータイミングの確立をし、チャートに張り付きひたすらタイミングを待ちます。
時間や経験を積んで培われた相場観をもって、その都度、相場に併せて判断します。それは相当な労力、そして経験値と言えます。
自動売買では、ほぼすべてを機械に任せて労力なく利益を残そうとするものです。裁量トレードのような労力はなく、経験を得るまでの時間を要しません。しかし相場はそれほど甘くはありません。
裁量トレードのような相場観を持った判断ができないEAでは、利益やパフォーマンスに過度な期待はしないことです。
素晴らしいバックテストの結果を持っているEAが、それを誇張して販売していたとしても、騙されてしまうことなくしっかりと判断することが大事です。
自動売買で、少ない利益でも労力なく利益が残ればそれは、それだけで相当素晴らしいことです。
EAは、それを手助けする程度のものであり、誰もが億万長者になれるものではありません。
パフォーマンスが低いEAでも、多くの資金をリスクに晒すことができれば当然リターンも期待できます。
結局は、余剰資金の多い人がお金を増やしやすい環境にあるということになります。
- 裁量トレードで爆発的に資金を増やすためには時間と労力が必要です
- 自動売買で大きな利益を求めるには大きな資金とロジックを見極める眼が必要です
EAは爆発的に資金を増加させる夢のプログラムではなく、ほったらかしなのに少しお金が増えてよかったね。くらいの認識でいることが、良いEA探しの基本的理念になるのではないでしょうか。