MT4一括決済スクリプト|全決済と売り買い決済の選択もできる

このページでわかること･できること

〇ポジションの全決済、買いポジションの全決済、売りポジションの全決済ができるスクリプト「PositionClose」について

〇ポジション一括決済スクリプトをダウンロード

〇一括決済スクリプトの使い方

MT4で一括決済ができるスクリプト「PositionClose」

MT4で一括決済を可能とするスクリプト「PositionClose」は「オープンポジションの一括決済」と「買いのみ一括決済」「売りのみ一括決済」が選択できるツールだ。
このスクリプトを使えば簡単に「全ポジションの一括決済」「買いのみ一括決済」「売りのみ一括決済」が可能となる。

一括決済ツール「PositionClose」をインストールする手順

一括決済ツール「PositionClose」はMT4用スクリプトのため、MT4データフォルダの「Scripts」へ移動し、MT4を再起動すればインストールが完了する。

フォルダへのアクセス手順：

ファイル＞データフォルダを開く＞MQL4＞Scripts

この手順にてフォルダを開き、Scriptsフォルダ内に一括決済ツール「PositionClose」を移動する。

PositionCloseを使った一括決済の方法

スクリプトを実行すると確認画面が表示され、「全決済」か「買い全決済･売り全決済」を選択できる。
「はい」を選択した場合はオープンポジションがすべて決済される。
「いいえ」を選択した場合は「買い全決済･売り全決済」の選択画面へ移行する。
「キャンセル」を選択した場合はなにもせずスクリプトが終了する

全ポジションを一括決済する

「PositionClose」実行後に、ウィンドウが表示される。
この画面で「はい」を選択するとすべてのポジションが一括決済される。

買い、売りを一括決済する

「いいえ」の「買い全決済･売り全決済」を選択した場合

最初の確認画面で「いいえ」をクリックすると「買い全決済･売り全決済」の選択画面となる。
「買い全決済･売り全決済」選択肢は以下の通り。

・「はい」買いポジションの全決済が実行される
・「いいえ」売りポジションの全決済が実行される
・「キャンセル」なにもせずスクリプトが終了する

スマホから一括決済する方法

スマートフォンアプリからの操作では一括決済できないが、リモートデスクトップを使って疑似的にスマートフォンからの一括決済が可能となる。PC上で起動しているMT4を、スマートフォンから操作して一括決済するということだ。
あくまで疑似的であり、スマートフォンからリモートデスクトップを使ってPCにアクセスするため、必然的にPCが起動されている必要がある。

リモートデスクトップについての詳しい説明は以下の記事を参照。

一括決済ツール「PositionClose」のメリット

PositionCloseはMT4「スクリプト」で「EA」ではない。
そのため、EAが動作しているチャートでも一括決済が可能となっている。
動作しているEAの付け替えが必要ないのはスクリプトのメリットとなる。

全ポジションの一括決済だけでなく、買いのみの一括決済。売りのみの一括決済が選択できるのもPositionCloseのメリットのひとつだ。

EAとスクリプトの違いとは

EA（エキスパートアドバイザー）
機能:
EAは、自動売買システムを構築するためのツール。マーケットデータを分析し、取引を自動で実行する。
決まったルールや戦略に基づいて取引を行うため、トレーダーがプログラムした戦略に従って自動的に売買注文を出す。
稼働期間:
EAは、一度起動すると指定された条件が満たされるまで継続的に動作する。24時間365日、指定された戦略に基づいて取引を行う。
使用目的:
長期的な自動売買戦略の実行に使用される。特定の市場条件や時間に関係なく、常に監視し取引を行う。

スクリプト
機能:
スクリプトは、一度だけ特定のタスクを実行するためのツール。取引の注文を一度だけ出したり、特定の分析を一度だけ行う場合に使用される。
稼働期間:
スクリプトは実行されると一度だけ動作し、その後は停止する。例えば、特定の時点での全ポジションを閉じる、一度だけ特定の通貨ペアを買う、といったタスクを実行する。
使用目的:
短期的なタスクや一度限りの操作を実行するのに適している。手動で行う操作を自動化するための補助ツールとして使用されることが多い。

まとめ
EAは長期間の自動売買を行うツールであり、継続的に市場を監視して取引を行う。
スクリプトは特定のタスクを一度だけ実行するツールであり、特定の操作を自動化するために使用される。

一括決済ツールPositionClose|使用上の注意

ポジション決済処理についての注意
スクリプトは実行されるとすべてのポジションに対して処理をする。
複数のチャート、通貨ペアで取引している場合でも、すべてのポジションに対して決済処理が実行される。

指値･逆指値注文に対しての処理はされない。

一括決済処理についての注意
一括決済は疑似的なもので、決済処理は1ポジションずつ連続して実行される。
そのため、ポジション決済には若干のズレ、ラグが生じる。

ポジション一括決済スクリプトのソースコード

//+------------------------------------------------------------------+
//|                                                PositionClose.mq4 |
//|                                     Copyright 2024, FX-Bonus.net |
//|                                            https://fx-bonus.net/ |
//+------------------------------------------------------------------+
#property copyright "Copyright 2024, FX-Bonus.net"
#property link      "https://fx-bonus.net/"
#property version   "1.00"
#property strict

// メッセージボックス用の定数
#define MB_YESNOCANCEL 0x00000003
#define IDYES 6
#define IDNO 7
#define IDCANCEL 2

//+------------------------------------------------------------------+
//| Script program start function                                    |
//+------------------------------------------------------------------+
void OnStart()
{
   // 確認メッセージを表示
   int answer1 = MessageBox("すべてのポジションを決済しますか？\n\n「はい」全決済\n「いいえ」買い全決済または売り全決済の選択へ\n「キャンセル」なにもしない", "全決済を選択", MB_YESNOCANCEL);

   // ユーザーの選択に応じて処理を行う
   switch(answer1)
   {
      case IDYES:
         CloseAllPositions();
         break;
      case IDNO:
         ShowSecondConfirmation();
         break;
      case IDCANCEL:
         // 何もしないで終了
         break;
   }
}

// すべてのオープンポジションを決済する関数
void CloseAllPositions()
{
   int totalPositions = OrdersTotal(); // オープンポジションの数を取得

   for(int i = totalPositions - 1; i >= 0; i--)
   {
      if(OrderSelect(i, SELECT_BY_POS) == true)
      {
         // クローズの結果を格納する変数を初期化
         bool closeResult = false;

         // オーダーのタイプに応じて決済
         if(OrderType() == OP_BUY)
         {
            closeResult = OrderClose(OrderTicket(), OrderLots(), MarketInfo(OrderSymbol(), MODE_BID), 3, clrWhite);
         }
         else if(OrderType() == OP_SELL)
         {
            closeResult = OrderClose(OrderTicket(), OrderLots(), MarketInfo(OrderSymbol(), MODE_ASK), 3, clrWhite);
         }

         // クローズの結果をチェック
         if(closeResult == true)
         {
            Print("ポジションをクローズしました。");
         }
         else
         {
            Print("ポジションのクローズに失敗しました。エラーコード: ", GetLastError());
         }
      }
   }
}



// 2番目の確認画面を表示する関数
void ShowSecondConfirmation()
{
   int answer2 = MessageBox("買い全決済または売り全決済しますか？\n\n「はい」買いポジション全決済\n「いいえ」売りポジション全決済\n「キャンセル」なにもしない\n", "売り買い決済を選択", MB_YESNOCANCEL);

   switch(answer2)
   {
      case IDYES:
         CloseBuyPositions(); // 買いポジションをすべて決済する関数を呼び出す
         break;
      case IDNO:
         CloseSellPositions(); // 売りポジションをすべて決済する関数を呼び出す
         break;
      case IDCANCEL:
         // 何もしないで終了
         break;
   }
}

// 買いポジションをすべて決済する関数
void CloseBuyPositions()
{
   int totalPositions = OrdersTotal(); // オープンポジションの数を取得

   for(int i = totalPositions - 1; i >= 0; i--)
   {
      if(OrderSelect(i, SELECT_BY_POS) == true)
      {
         // 購入ポジションのみを決済
         if(OrderType() == OP_BUY)
         {
            bool closeResult = OrderClose(OrderTicket(), OrderLots(), MarketInfo(OrderSymbol(), MODE_BID), 3, clrWhite);
            if(closeResult == true)
            {
                Print("買いポジションをクローズしました。");
            }
            else
            {
                Print("買いポジションのクローズに失敗しました。エラーコード: ", GetLastError());
            }
         }
      }
   }
}

// 売りポジションをすべて決済する関数
void CloseSellPositions()
{
   int totalPositions = OrdersTotal(); // オープンポジションの数を取得

   for(int i = totalPositions - 1; i >= 0; i--)
   {
      if(OrderSelect(i, SELECT_BY_POS) == true)
      {
         // 売却ポジションのみを決済
         if(OrderType() == OP_SELL)
         {
            bool closeResult = OrderClose(OrderTicket(), OrderLots(), MarketInfo(OrderSymbol(), MODE_ASK), 3, clrWhite);
            if(closeResult == true)
            {
                Print("売りポジションをクローズしました。");
            }
            else
            {
                Print("売りポジションのクローズに失敗しました。エラーコード: ", GetLastError());
            }
         }
      }
   }
}

ソースコードの詳細を解説

OnStart() 関数:
スクリプトのメイン関数であり、スクリプトが実行されるときに最初に呼び出される。
ユーザーに対してポジションのクローズを確認するメッセージボックスを表示する。
ユーザーの選択に応じて、全てのポジションをクローズするか、買いポジションまたは売りポジションのクローズを選択するか、または何もせず終了する。

CloseAllPositions() 関数:
OnStart() 関数内で全てのポジションをクローズするために呼び出される。
OrdersTotal() 関数を使用してオープンポジションの数を取得し、それらのポジションをループで処理する。
ポジションのタイプに応じて適切な方法でクローズする。
買いポジションは現在の売り価格で、売りポジションは現在の買い価格でクローズされる。

ShowSecondConfirmation() 関数:
ユーザーが “いいえ” を選択した場合に呼び出され、買いポジションまたは売りポジションのクローズを選択するメッセージボックスを表示する。

CloseBuyPositions() 関数:
ShowSecondConfirmation() 関数内で買いポジションをクローズするために呼び出される。
買いポジションのみを処理し、適切な価格でクローズする。

CloseSellPositions() 関数:
ShowSecondConfirmation() 関数内で売りポジションをクローズするために呼び出される。
売りポジションのみを処理し、適切な価格でクローズする。

その他の一括決済ツール|無料MT4ツール

MT4のマーケットからインストールできる無料の一括決済ツールを紹介する。
マーケットはMT4のターミナルからアクセスが可能だ。

以下に紹介するツールは、すべてMT4のマーケットから無料でインストールできる。

Exp TralPartionClose|トレール パーシャル クローズ

CloseButton|クローズボタン

TM Close Buttons|クローズ ボタン

Close ALL MT4|クローズ オール

Close All Orders for MT4|クローズ オール オーダー

Alpha Trade Closer|アルファ トレード クローザー

One Click MT4|ワンクリック

Position Close Button MT4|ポジション クローズ ボタン

Close All Profit|クローズ オール プロフィット

Close ALL In This Current Chart MT4|クローズ オール インディス カレント チャート

Close All When Equity MT4|クローズ オール ウェン エクイティ

Pro Close Panel|プロ クローズ パネル

Close Tool MT4|クローズ ツール

Close All Orders Assistant|クローズ オール オーダーズ アシスタント

EasyClose MT4|イージー クローズ

OneClickClose Free|ワンクリック クローズ フリー

One Click Close Pro MT4|ワンクリック クローズ プロ

その他の便利なMT4用スクリプト

まとめ

PositionCloseを使うとMT4の全ポジションを一括で決済できる。買いの一括決済、売りの一括決済にも対応している。PositionCloseはスクリプトのため、EAが稼働しているチャートでも使用できる。一括決済は擬似的なものであり、複数ポジションの決済には多少のズレが生じる。スマホから一括決済を実行するには、リモートデスクトップで対応可能。その場合にはPCの起動は必須条件となる。