すべてのチャートを一括で開くMT4スクリプト

このページでわかること･できること

〇MT4からすべてのチャートを一括で開く方法

〇選択した通貨ペアを一括で開く方法

〇チャートを一括で開くスクリプトのダウンロード

〇スクリプトの使い方とプログラムの詳細

MT4ですべてのチャートを一括で開くスクリプト|OpenAllCharts

MT4で開けるすべてのチャートを一括で開くには、スクリプトの「OpenAllCharts」を使用すれば実現できる。このスクリプトは、気配値に表示している通貨ペアや商品のチャートを一括で開くことができるツールだ。一度に多くのチャートを開くような場面で、作業の簡略化ができる。

チャートを一括で開くスクリプトのダウンロード

チャートを一括で開くスクリプト「OpenAllCharts」は以下のリンクからダウンロードできる。ダウンロードするファイルは.ex4で、MT4のデータフォルダにある「Scripts」フォルダへ移動してインストールできる。

OpenAllChartsのインストール

ダウンロードしたOpenAllCharts.ex4はMT4のスクリプトであるため、Scriptsフォルダへ移動する。
MT4からフォルダへアクセスする手順は以下となる。
MT4からデータフォルダを開き、MQL4フォルダ内にあるScriptsフォルダへスクリプトファイルを移動しよう。

ファイル＞データフォルダを開く＞MQL4＞Scripts

ファイル移動後にMT4を再起動すればスクリプトのインストールが適用される。

OpenAllChartsの使い方

インストールしたスクリプトはMT4のナビゲーター＞スクリプトから呼び出しができる。
OpenAllChartsは最低でもひとつはチャートが開いていないと実行できない。
チャートがひとつ以上開いている状態で、OpenAllChartsを実行する。

ダブルクリックや、チャートへのドラッグアンドドロップ操作が実行となる。

OpenAllChartsを実行すると確認画面が表示される。
「はい」で実行され、すべてのチャートが一括操作で開かれる。
「いいえ」を選択すると実行はキャンセルされる。

開かれるチャートは「気配値」に表示されている通貨ペア・銘柄のみとなる。
気配値の表示を操作することでOpenAllChartsの利便性は大きく向上する。

気配値で選択した通貨ペアのチャートを一括で開く

MT4の気配値は開いていないチャートの表示を消すことができる。
気配値画面上で右クリックのメニューを開けば画像のように「すべて非表示」を実行できる。

すべて非表示にしたあと「通貨ペア」を選択し、「通貨ペアリスト」から気配値に表示したい通貨ペアを選択する。

通貨ペアリストから気配値に表示したい通貨ペア・銘柄を選択していく。
選択された通貨ペア・銘柄はアイコンがオレンジ色に変化する。
通貨ペア・銘柄の分類についてはブローカーごとに違う。

通貨ペア・銘柄を選択した状態でOpenAllChartsを実行すると、欲しいチャートだけを一括で開くことができる。

一括でチャートを開くのに有効な場面

OpenAllChartsを使って一括でチャートを開く機能は、どんな場面で必要になるのか？について解説。

重要な経済指標やイベントの直前・直後

経済指標の発表や中央銀行の政策発表など、市場に大きな影響を与えるイベントの前後で、一時的に複数の関連銘柄、通貨ペアの監視ができる。例えば、米国の雇用統計発表前後に主要な米国株や米ドル関連の通貨ペアを一斉に監視することで、迅速な取引判断が可能になり、詳細な分析も可能となる。

マーケットオープンまたはクローズ時の動き

マーケットオープンやクローズ時には、一時的にボラティリティが高まることがある。特に、開場直後や終値に向けたラストスパートでの価格変動を見極めるため、複数の銘柄を同時に監視することも有効となる。

急激な市場の変動時

市場が急激に動いているとき、例えば突発的なニュースや地政学的リスクの高まりなどで市場が動揺する場合、一時的に関連する複数の銘柄を監視し、リスク管理や取引機会を見逃さないようにできる。

新しい取引アイデアや戦略を練る

新しい取引アイデアや戦略をテストする際に、複数銘柄でそのパフォーマンスが検証できる。この場合、一定期間だけその銘柄群を監視し、戦略の有効性や改善点を見つけるためにデータ収集ができる。　

市場のテーマやトレンドの変化に対応する時

特定の市場テーマが注目されている場合、そのテーマに関連する複数の銘柄や通貨ペアを一時的に監視できる。それにより、テーマ全体の動向やリスクが把握できる。

一括でチャートを開くメリット

大量のチャートをMT4で開く場合、作業に多くの時間を割く。それを一括で解決できるため、OpenAllChartsの使用は時間の節約につながる。異なる市場やセクターの分析であったり、通貨ペアの相関関係を分析する場合であったりと、複数のチャートを開く、閉じる、といった作業が必要な場面で、OpenAllChartsのような作業を自動化するツールを利用することは大きなメリットとなる。

その他の一括変更スクリプト

OpenAllChartsと併せて使いたいスクリプトを紹介する。
大量に開いたチャートを一括で閉じるスクリプト「SelectChartClose」
本来、大量に開かれたMT4チャートは、チャートの閉じるボタンをひとつひとつクリックする必要がある。
しかし、「SelectChartClose」を使えば、チャートを閉じる作業が一括で完了できる。OpenAllChartsを使用する場合には必ずダウンロードしておきたいスクリプトだ。

「SelectChartClose」

また、開いたチャートの期間（タイムフレーム）を一括で変更できるスクリプト「TimeFlameChanger」もある。
このMT4スクリプト「TimeFlameChanger」を使えば、開いているチャートの時間軸を一括で変更できる。
チャートが大量にある場合、チャートの期間を変更する作業は多くの時間を割くが、この「TimeFlameChanger」を使えば一括で完了するため、OpenAllChartsとの相性は良いスクリプトとなっている。

「TimeFlameChanger」

スクリプトのソースコード詳細

void OnStart()

{
    if (MessageBox("すべてのチャートを開きますか？", "確認", MB_YESNO | MB_ICONQUESTION) == IDYES)
    {
        OpneAllCharts();
    }
}

//+------------------------------------------------------------------+
//| チャートすべてをオープンする関数                  |
//+------------------------------------------------------------------+
void OpneAllCharts()

{
    int totalSymbols = SymbolsTotal(true); // MarketWatchで選択されたシンボルの数を取得

    for(int i=0; i<totalSymbols; i++)
    {
        string symbolName = SymbolName(i, true); // MarketWatchで選択されたシンボルを取得
        if(ChartOpen(symbolName, Period()) <= 0)
        {
            Print("Failed to open chart for symbol: ", symbolName);
        }
    }
}

1. void OnStart()
   • プログラムのエントリーポイントを示す。MetaTrader 4では、OnStart関数がプログラムの起点となる。
2. if (MessageBox("すべてのチャートを開きますか？", "確認", MB_YESNO | MB_ICONQUESTION) == IDYES)
   • メッセージボックスを表示し、ユーザーが「はい」を選択した場合にのみ、OpneAllCharts関数を呼び出す。
3. OpneAllCharts();
   • 「はい」が選択された場合にOpneAllCharts関数を呼び出す。
4. void OpneAllCharts()
   • OpneAllCharts関数の宣言。この関数は、すべてのチャートを開くための処理を行う。
5. int totalSymbols = SymbolsTotal(true);
   • SymbolsTotal関数を使いMarketWatchで選択されたシンボルの数を取得。
6. for(int i=0; i<totalSymbols; i++)
   • forループを開始し、MarketWatchで選択されたシンボルの数だけ繰り返す。
7. string symbolName = SymbolName(i, true);
   • SymbolName関数を使ってMarketWatchで選択されたシンボルを取得。
8. if(ChartOpen(symbolName, Period()) <= 0)
   • ChartOpen関数を使ってチャートを開く。この行では、チャートのオープンに失敗した場合にエラーメッセージを出力する。
9. Print("Failed to open chart for symbol: ", symbolName);
   • チャートのオープンに失敗した場合にエラーメッセージを出力。

その他の便利なMT4用スクリプト

まとめ

この記事では、MT4から複数チャートを一括で開く方法を紹介している。
OpenAllChartsスクリプトを使用することで、気配値で表示されている全てのチャートを一括で開くことができる。
特定の通貨ペアのみを選択して一括で開く方法や、チャート期間を一括で変更するスクリプトについても説明。
具体的な手順やプログラムの詳細を提供し、MT4を使った分析の効率を向上する情報となっている。