海外FXのEAやシグナルトレードで必須なVPSとは
FXトレードで自動売買をしている、または検討している方は多くいるかと思います。
自動売買ではEAを購入したりシグナルを購読するほか、VPSを利用した方が良いという認識を持っている方も多くいます。
これから自動売買をしたいと検討している方で、VPSの導入も検討をしている方は、なぜVPSが必要なのか、について不明な点もあるでしょう。
ここでは、EAやシグナルトレードなどの自動売買をするうえで、なぜVPSの利用が必要なのか、についてざっくり説明していきます。
- 海外FXのEAやシグナルで使われるVPSとは
- VPSで利用するリモートデスクトップとは
- EAやシグナルでVPSを使ったほうが良い理由とは
- VPSはレイテンシを大きく低下させることができます
- サーバーの地域によってレイテンシも変化します
- 24時間のMT4稼働については好みでしょうか
- VPSで起動するMT4の数とメモリの量について
- まとめ
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海外FXのEAやシグナルで使われるVPSとは
VPSとはバーチャルプライベートサーバーの略です。
レンタルサーバーや専用サーバーといったサービスに聞き覚えがあるかと思いますが、それに近いサービスと認識して大丈夫です。
VPS業者が維持するサーバー上で、仮想のサーバーを複数提供していることになります。
FXトレードでVPSを利用する場合には、仮想サーバー上にOSが導入されているVPS業者を利用します。
そのため、サーバー構築のための知識や操作などの一切が必要ありません。
VPS業者と契約し、リモートデスクトップへ接続するだけでサーバー上のデスクトップPCへアクセスすることができます。
つまり、仮想サーバー上にOSが導入されている業者のVPSを使うということは、自宅PCの他にPCを保有していることと同じになります。
VPS上で稼働しているPCは、仮想サーバー上で稼働しています。
そのため、自宅以外の場所でも、リモートデスクトップへ接続することでVPS上のPCへいつでもアクセスすることが可能になっています。
上記の画像は、自宅PC(win7)でVPS上のPC2つとリモートデスクトップ接続している状態のものです。
VPSのOSはそれぞれWindowsServer2008と2012のものを利用しています。
VPS業者は以下を利用しています。
自宅ではなくても、ノートパソコンなどからリモートデスクトップへ接続し、VPS上のPC環境へアクセスすることももちろんできます。
VPSで利用するリモートデスクトップとは
マイクロソフトが提供しているウィンドウズの機能です。
- スタート
- すべてのプログラム
- アクセサリ
- リモートデスクトップ接続
上記の手順で利用することができる機能です。
その名の通り、デスクトップを遠隔操作することができます。
海外FXのEAやシグナルなどでVPSを利用する場合には、このリモートデスクトップ接続を使って仮想サーバー上にあるデスクトップを操作します。
ひとつのVPS契約に対して2つのリモートデスクトップ接続をすることはできませんが、複数のVPS契約がある場合にはそれぞれを同時に接続することが可能になっています。
VPS業者と契約してサーバーのIPアドレスやパスワードを貰います。
その後、リモートデスクトップを介してVPSへ接続できるようになります。
EAやシグナルでVPSを使ったほうが良い理由とは
EAやシグナルといった自動売買でVPSを利用した方が良い理由は二つあげられます。
- レイテンシを低下させること
- 24時間の稼働が容易であること
VPSはレイテンシを大きく低下させることができます
レイテンシとは遅延時間のことです。
MT4ではターミナルの操作履歴や接続状況をクリックすることで確認できます。
ターミナルの操作履歴では【ping to current access point ○○ is ××ms】のようにして表示されています。
○○の部分にはブローカーで利用しているサーバー名、××には応答速度が表示されます。
画像は、同じ取引口座で自宅PCからMT4を起動した場合とVPSから起動した場合の応答速度です。
- 自宅PCは173.14ms
- VPSは1.87ms
msはミリセックのことで、1ms=0.001秒になります。
上の例の場合には、
- 自宅PCの応答速度は0.17314秒
- VPSの応答速度は0.00187秒
ざっくりな比較だと0.2秒と0.002秒というように差がでていることがわかります。
EAやシグナルで自動売買する際、約定するタイミングにこだわるロジックなどもあります。
そういった自動売買を使って取引する場合には、VPS環境は必須になります。
しかし、応答速度が速いからといって取引結果で必ず利益に繋がるといったわけではありません。
応答速度とチャートの提示するプライスにはなんの関係もないからです。
応答速度が遅く、約定が遅れたことでポジションにとって有利なプライスである場合も多々あります。
そのため、自動売買のロジックでエントリーやクローズの指示がでる、そのタイミングに忠実であるかどうかが応答速度に大きく関わってきます。
取引に利用している自動売買のパフォーマンスを最大限に発揮するためにはVPS環境が適している、と認識していればよいかと思います。
サーバーの地域によってレイテンシも変化します
FXブローカーのサーバーが設置されている地域と、VPS業者の地域が近いほうがレイテンシは大きく低下します。
FXブローカーのサーバーがニューヨークにある場合には、VPS業者でもニューヨークサーバーを選択します。
FXブローカーのサーバーがロンドンにある場合には、VPS業者でもロンドンサーバーを選択します。
複数のFXブローカーから口座開設をしている場合、VPS業者で利用するサーバーの地域にも気を使うことが必要です。
24時間のMT4稼働については好みでしょうか
EAやシグナルでVPSを使ったほうが良いもうひとつの理由として24時間稼働があります。
自宅PCを週5日間24時間稼働させればVPSと同じことになりますが。
停電や電源の瞬停などのリスクを考慮した場合、UPSなどの予備電源が必要になります。
VPS業者のサーバーが切断されるというリスクは低いですが、可能性はゼロではありません。
VPSではサーバー切断時にOSが自動で再起動するソフトや、再起動後のMT4起動などの処置もあり対策は万全にされています。
24時間稼働に対しては自宅、VPS共にリスクはあり対策が必要なので、どちらが良いのかは好みによって判断される部分もあるかと思います。
VPSで起動するMT4の数とメモリの量について
VPS業者ではいくつかの料金プランを設定しています。
CPUやメモリ、ディスク容量などに差が設けられています。
当然ながら機能が低い方が安い料金として設定されています。
MT4は軽いチャートソフトなのでCPUやディスク容量は気にする必要はないかと思います。
しかし、MT4を複数起動する場合に、メモリ容量が重要になってきます。
VPS業者で安く設定されているプランではメモリ1GBほどが一般的のようです。
上記の画像は1GBのメモリで契約しているVPS上のタスクマネージャですが、MT4を6つ起動させてあります。
VPSを利用するうえで、複数のMT4をメモリの限界まで起動させたいと感じますが、メモリを圧迫することでMT4の動作に影響がでてしまうことは避けたいところです。
MT4の動作を見ながら起動するMT4の数を増やし、ある程度メモリにゆとりを持たせた上で安定して稼働させることが肝要かと考えます。
まとめ
VPSの導入となると、越えなければいけないハードルがたくさんあるようで敬遠されがちです。
しかし、いざ導入すれば利点を感じることができるサービスであると思います。
VPS業者と契約することや、リモートデスクトップを設定することはそれほど難しいことではありません。
料金も、安いプランで契約すれば月々数千円ほどで済むものです。
EAやシグナルなどの自動売買を利用する場合には、ぜひとも積極的にVPSを活用したいところです。